2012年2月3日金曜日

2012年の夏バージョン(No.144)

今期のサマーランド・マップ仕事も
無事終了した。ふ〜っ。
さて、今期はどこが変わったでしょ〜
か?昨年度のマップを、一番最後に
アップしておくので、ものすご〜く暇
な人はどうぞチャレンジを。

東京サマーランド自体も、毎年少しづ
つ改装増築新設削除を繰り返していて、
その複雑怪奇さは一見の価値がある。

それに合わせて、イラストマップも毎
年毎回、あくなき修正を繰り返してい
る。それが出来るのも、最初に作る時
に、伊能忠敬ばりの実地調査を繰り返
した結果。ホントに病気になった位。

イラストマップって、某巨大ネズミの
王国マップを見ても分かるように、単
純に正確であれば良い訳ではなく、強
調すべき所を強めながらも、興味を持
たせ、楽しさを示し、且つ目的地に導
く仕掛けが必要になる。もちろん当然、
絵としての魅力も大切。

この辺りは、絵を描く力と、空間デザ
インを仕事にしていた時の空間把握力
が生きていると思う。図面も読めるし
ね。まったくどんな体験も、無駄には
ならない。

でも、何よりも大切なのは、そこで楽
しむ人の気持ちになって描き、ストー
リーを込めることだと思っている。

プロは絵でお金をいただくので、最初
の段階で完成型が確実に見えていて、
そこに向かって技術を駆使していく。
ただ、作り上げていく段階で、楽しさ
や感情を込めることが出来ないと、仏
作って魂入れず状態になってスカスカ
な作品になる。

技術は、あくまで目的を達成する手段。

大事なのは、目的を見つめて楽しんで、
自分のものにする事。これは、子ども
の絵だろうと、プロの絵だろうと一緒。

そう肝に銘じながら、今年もがんばっ
たのだった。でも、ある程度クールに
ならないと、仕事として成立しないん
だけどね〜。


では、昨年度のマップをどうぞ。え?
同じに見えるって・・・。




2012年1月23日月曜日

世を正す画家なのか?(No.143)

神奈川県立近代美術館葉山で開催中の
「ベン・シャーン クロスメディア・
アーティスト」展を観に行った。

ベン・シャーン(Ben Shahn 1898~
1969)は、自分が好きな画家No.1。
しかも、近所の美術館での展示となれ
ば、もう無条件に行かねばならなぬ感
満々。

ベン・シャーンが若い頃に学んだ学校
にも入学したし、開設に協力した美術
教育機関の流れを汲む会社とも契約
した位の、もう盲目のスキスキ具合。

この日は、主任学芸員の方のギャラリ
ートークを楽しみ、充実の展示作品と
向き合った後、帰宅後に日曜美術館で
の特集をテレビ観戦して、ベンシャー
ン神社にお参り(コレは嘘ね)のフル
コースお腹一杯ごちそうさま状態なの
だった。

それにしても、これだけシリアスな
題材を扱いながらも、どこかユーモラ
スで、おしゃれな感じが随所にするの
は何故なんだろうか?

いわゆる社会派的な作品が多いため
か、「世直し画家」?なんて呼ばれて
いたりするのだが、どうも世を正すと
いうより、「わしゃ、絵で淡々と記録
しているだけじゃけんね〜。」的な
クールさが見える。
しかも、恐ろしく芯の強いブレない
意志を伴って。

通常、回顧展で接する画家の作品は、
その作風への葛藤が感じられるのだ
が、この人の作品の場合は、それが
ほとんど感じられない。
その代わり、作家内面の葛藤は、猛烈
に伝わってくる。しかも見た目はユー
モラス。このアンバランスが何とも言
えない魅力なのかもしれないなぁ。
クールなエンジン全開状態、または
激辛あんこ饅頭か?(困)

世の名のある画家の、絵に真摯に向き
合う姿勢にはいつも感心するが、
ベン・シャーンの場合は、もっと向こ
う側の、もっと幅広い何かを見つめて
表現していたような気がする。そん
な、遠くて柔らかくて幅広い視線が、
この画家の魅力に違いない。

と、美術館からの相模湾ビューを眺め
ながら勝手に納得したのだったよ。


それにしても、昨年末のセガンティー
ニ展や今回のベン・シャーン展は、
館内満員。
理由はどうあれ、良い絵に触れようと
する人が多いのは喜ばしい。
どっちも好きな画家という欲目もあ
るが、絵って魂のエネルギーになる、
と思う。

2012年1月13日金曜日

表現イロイロ(No.142)

昨年末は、青春小説一気読み(+DVD)をした。

50代オッサンとしての、まっ、心構えとして。
と共に、やっぱり小説の表現には関心があるので。

いずれも、ちょっと前の作品だが、レベルは高く、
同時に多くの共感を得ているものをチョイスした。
自分が体験したジャンルを選んだのも、共感を重視
したため。青春モノって、キュンとするしね。

まず「風が強く吹いている」

箱根駅伝の話なのだが、弱小集団がヤル気を出して
困難に挑戦する、というまさに王道のストーリー。
登場するキャラクター造形が秀逸で飽きさせない。
陸上競技の中でも、駅伝はドラマ性が高く、物語に
なりやすい。そういった点も含めて、登場人物たち
が、キチンと機能しているのには感心した。
やっぱり、良い設定と少々クセのあるキャラクター
を配置すると、物語が勝手に動き出す好例。

次に「一瞬の風になれ」

高校生の陸上競技、特に短距離リレーの感じが堪能
できる。主人公のラフな語りで進むのが、少し甘い
雰囲気で、個人的には好きな文体ではない。にもか
かわらず、3冊一気読みできるのは、やっぱり作者の
力量なのかな。表現方法で印象が大きく変わる好例。
自分自身が、リレー競技でインターハイ地区優勝・
全国大会出場経験があるため、もう完全に共感体験
できたので、あまり冷静に読めなかった(冷静に読
む必要は全然ないけど)。
高校陸上の理想的すぎる生活ストーリー。理想を、
読みやすく親しみのもてる語りで表現するのも悪く
ないな〜。

そして「武士道シックスティーン」と「武士道セブ
ンティーン」

前2作が、女性作家が男子を描いているのと対照的
に、男性作家が女子を描いているのが大きな違い。
文体はこれが一番しっくりくる、単なる好みなんだ
けど、全体構成もシッカリ組み立ててあり隙がない。
剛と柔の使い分けも見事で、メリハリ感が凄い。
まだ、続編の「武士道エイティーン」もあるが、そ
れは文庫になってのお楽しみとしておこう。
やっぱり主人公の個性的な外れ感が鍵だな。魅力的
な人間をしっかり描く、というのが大切なんだな、
としみじみと感じた作品だった。

おまけで「虹の女神」のDVD

大学の映画サークルでの物語。全体に漂う雰囲気が
ほんとに気持ち良いというか懐かしいというか。
もの創りの楽しさや苦労が、学生生活の不安定感と
相まって、何とも言えない日本的箱庭感が漂うのが
いい感じ。海外映画では、ほとんど味わえないドメ
スティックな楽しみと切なさが心にしみる秀作。
好きですコレ。


と、青春モノを一気読みしたおかげで、何だか浄化
された気分になったのだった。

あ〜、若いって、それだけで無条件にイイな。と、
正しいオッサン道を歩めたのだった。

2012年1月2日月曜日

2012年スタート!(No.141)

2012年になった。

とにかく、ピースで前向きな一年に!
という訳で、地元の鶴岡八幡宮へ初詣。

途中途中で、人の流れをロープで仕切って、
コントロールしている様が面白い。
そして、警察の方々のアナウンス「そんな
に長くはお待たせいたしません。」と淡々
とした語り口が妙に和む。


正月風景を味わって並んでいるうちに、
階段前正面最前列に到着。
ロープが開いても、駆け出してはいけませ
んよ。階段途中での撮影もNG。


で、真面目にお参りをして、お約束(?)
の、おみくじをば。
さすが、武士の宮。甘えは許るさん!の姿勢に
身が引き締まるのだった。

ハイ、しっかりがんばります!
今年もよろしく。


2011年12月14日水曜日

立体イラスト作業中(No.140)

平面も好きだが、立体も好き。
なので、立体イラストも積極的に作っている。

これは色を塗る前の段階。素材はバルサ材で、
なるべく工作感を出すようにしている。
事実、ウチの子どもが見ると、自分で作りたく
なるそう。自分でも作れそう、と思うのかな?

で、着色開始。
絵の具は愛用のサクラマット水彩。特別な画材
ではなく、見る人たちが実際に使っているもの
で描くようにしている。
なんだか距離が近くなるような気がするから。

ハイ、ほぼ完成。
黒目がないのは、これを写真に撮りCG処理を
して完成させるから。
ちなみにコレは、高校への数学という学習雑誌
の2月号表紙用。

最近は美術教育関連の仕事が多くなったが、作
品を仕事としてしっかり作ることは基礎体力と
同じで、すくなくとも自分にとっては大切な事。

日々勉強だな〜。

おもちつき(No.139)

ご近所の皆様と、お餅つきをしたのだった。
言い出しっぺだったので、企画立案などの初期
作業をのそのそと担当。
いや、ただ餅つきが好きなので、かつそれは一
人では難しいので、何だかご近所を巻き込んで
の楽しいプライベート行事としてやらせていた
だいた。
仕事じゃないから、もちろん気楽なんだけど、
やっぱり参加者がどうやったら楽しい時間を
すごせるか、どうやったらそれぞれが自主的
な満足感が得られるか、などなどに気を使っ
ってしまう。
完全な職業病か?いや本来の職業から少しズ
レてるから違うかな。

でも、結局は餅を思いっきりついて単純に自
分が楽しんだのだった・・・。

2011年11月14日月曜日

薪ストーブ始動!(No.138)

ちょっと寒くなったので、薪ストーブを始動
させた。

ウチの薪ストーブは、シェーカースタイルの
シンプルな実用タイプ。
なので、本気を出せば蒸気機関車のごとく、
ゴーと凄い勢いで燃える。パチパチと優雅に
火を眺めながら、ではなく、火力を調整しつ
つ薪を放り込む感じか。

この薪ストーブに限らず、制作者の顔が見える
モノがとても好き。その方が、モノ自体の純度
が高いというか、会話が成立しそうな気がする
というか。

もちろん、モノとしゃべれる能力がある、訳で
はない。しゃべってみたいけど。